
企業向け銀行リレーションを勝敗づける「見えないインフラ」

John Stevens による
SVP, Global Head of Financial Institutions, Working Capital & FXShare
企業のトレジャリー部門は、かつてない複雑さの中で業務を行っています。4つ、5つ、時には30以上の銀行リレーションを管理し、毎週、誰かがそれぞれのポータルにログインして、全社の資金とエクスポージャーの状況を寄せ集める。これは、今日のビジネススピードを前提に設計されたことのない、手作業で断片的なプロセスです。
そのため、銀行パートナーに対する期待も変わりました。深い専門性と信頼関係は土台のままですが、今日の差別化要因は「接続性(コネクティビティ)」です。すべての銀行リレーションを横断したリアルタイムの可視性を提供し、トレジャリーチームがすでに依存しているシステムへダイレクトに統合できることが求められています。
課題:接続性はいまや銀行の「プロダクト」である
変化は徐々に、そして一気に進みました。夜間に届くファイルを受け取っていた時代から、今やトレジャリーは連続稼働が前提です。SAP、Oracle、Microsoft Dynamics、Workday といったERPは企業財務のオペレーションの中枢となり、顧客は銀行が直接・確実に・リアルタイムでつながることを当然視しています。
しかし多くの銀行では、この期待に基礎インフラが追いついていません。いま多くの銀行で「接続性の提供」が現場でどう見えているか、典型例は次のとおりです。
価値還元の低いカスタム開発。 単一のERP連携プロジェクトでも12~18カ月を要し、ITリソースに数千ドル規模のコストが発生します。これを顧客基盤全体に掛け合わせれば、採算は崩れます。
壊れやすいポイントツーポイント接続。 特定のERPバージョンや顧客の社内ITアーキテクチャに結びついた個別連携は、常に次のアップグレード・サイクルの影響を受けます。現場なら覚えがあるはずです。午前8時に顧客から電話、「支払実行が止まっている」。原因は、直近のERPアップグレードで更新が必要になったコネクタでした。
オンデマンドのステータス可視性の欠如。 企業顧客は、1日の中で支払いや取引の状況を把握したいと考えるようになっています。手作業のバッチ処理や遅延レポートは、突合の抜け漏れや見逃された失敗決済、不必要なエスカレーションを生みます。
止まらないコンプライアンスの時計。 ISO 20022移行の期限、SWIFTのアップグレード、変化し続ける規制要件により、連携の景色は静的ではありません。接続性スタックの維持は、コンプライアンスリスク低減でもあります。
複数銀行・複数ERPにまたがる複雑なトレジャリーを持つ最上位の企業顧客ほど、「最もつながりやすい」銀行を主要銀行として選びます。これはもはや「あれば良い差別化要素」ではありません。必須条件です。
解決策:Bank‑Connectivity‑as‑a‑Service(BCaaS)
Kyribaの Bank‑Connectivity‑as‑a‑Service(BCaaS)は、この課題をまさに解決するために生まれ、グローバルなトランザクションバンキングが要するスケールで機能します。
考え方はシンプルです。専用のERP連携を自社で構築・保守するのではなく、銀行はKyribaの事前構築され、継続的に保守・最新化される接続レイヤーを採用し、自行のポータルから自社ブランドで企業顧客に提供します。
事前構築のERPコネクタ、すぐに有効化。 Kyribaは、SAP、Oracle、Microsoft Dynamics 365、Netsuite、Workday、QuickBooksほか多数のERP向けに、認定済みの本番グレード・コネクタを維持管理しています。使い捨ての個別連携ではありません。ERPのバージョンや金融メッセージング標準の進化(ISO 20022移行対応を含む)に合わせ、継続的に更新・準拠します。
支払・取引ステータスをオンデマンドで。 企業顧客は翌日のレポートではなく、ライブな可視性を得られます。ERPで起票された支払いはKyribaの接続レイヤーを通って貴行へ、そして戻ってきます。Webhook通知とオープンAPIにより、顧客システムは常に同期を保ちます。手作業の突合は不要です。
自ら構築したい顧客向けのオープンAPI。 自前の連携能力を持つトレジャリーチーム向けに、Kyribaは接続インフラを公開するオープンAPIを提供。銀行は、単一のAPIエンドポイントを構築・ホストすることなく、テクノロジー先進の企業顧客に開発者向けプロダクトとして提供できます。
中央集約で維持される完全なコンプライアンス。 Kyribaの接続プラットフォームは、SWIFT、EBICS、FTP、EDITRAN、全銀およびモダンなAPIに対応し、4,000社超から信頼されています。ISO 20022準拠は標準装備で、規格の進化に合わせて更新。貴行の接続オファリングは常に最新です。
貴行ブランドで提供可能。 Kyribaはインフラ層として機能し、顧客からは見えなくても体験の核を担います。このホワイトラベル型の接続機能により、貴行ブランドの下で顧客エンゲージメントが一段と深まります。
貴行のポータル経由で企業顧客がKyriba BCaaSにオンボードすると、彼らはエコシステムに参加します。Kyribaのサービス規模は、市場のリーダーたる所以です。年間5,100億ドルではなく、51兆ドル規模の支払処理量というネットワーク効果が、貴行の追い風になります。
緊急性:お客様はすでに比較しています
Kyribaは毎日、トレジャリーチームと対話しています。顧客は、運用負荷を増やすことなく複数行と取引できる柔軟性を求めています。全社的なトレジャリー戦略に合致するソリューションを望んでおり、そのためには、一行への囲い込みではなく「選択肢」を支えるアプローチが必要です。
これらの関係を勝ち取る銀行は、必ずしも最大手でも最安でもありません。より速くつながり、つながり続けるのが簡単な銀行です。オペレーション面の体験を、リレーションシップ面と同じくらいシームレスにしています。
Kyriba BCaaSは、3年がかりのIT変革プログラムなしで、そのギャップを埋める方法です。
SIBOS 2026 でお会いしましょう
SIBOSは、業界で最も重要な議論が交わされる場です。トランザクションバンキングの未来、デジタルトレジャリーの加速、リレーションシップ中心から「リレーションシップ+インフラ」へ——これらは今後10年のコーポレートバンキングを形づくるテーマです。
KyribaはSIBOS 2026に参加します。接続戦略の検討中でも、レガシーな継ぎはぎ連携の置き換えをご希望でも、Kyriba BCaaSの実像を具体的にご案内します。事前の打ち合わせは、お問い合わせまたはKyriba担当者までご連絡ください。
Written By

John Stevens
SVP, Global Head of Financial Institutions, Working Capital & FX
John Stevens は、ワーキングキャピタル、トレードファイナンス、資本市場に精通した金融サービスのエグゼクティブです。現在は Kyriba の SVP, Global Head of Financial Institutions, Working Capital & FX として、世界中の金融機関向け事業、流動性最適化、銀行とのパートナーシップを統括しています。Kyriba 入社前は C2FO に6年間在籍し、その前後を含め10年以上にわたりバンカーとして、米国・カナダ・中南米におけるオリジネーション事業をリードしました。John は実行力と成長に強くこだわり、革新的なフィンテックを通じて、世界有数の企業や銀行が滞留流動性(トラップド・リクイディティ)を解放することを支援してきました。

