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Kyriba アプリケーションの利用価値を最大化する

By Kyriba

トレジャリー・マネジメント・システム (TMS) を使用することで、組織はキャッシュフローをモニタリングし、プロセスを自動化し、不正を防ぎ、今日の不確実性の経済下で競争力を保つ上での、情報・データに基づく流動性の意思決定を行うことができます。Bray International は、資金の可視性と予測を向上させるために、Kyriba TMS を選びました。TMS 導入成功後、Bray International は Kyriba プラットフォームの利用拡大を求めました。

この KyribaLive 2023 のパネルセッションでは、Bray International と Kyriba Platinum 認定パートナーの Elire が、TMS の最先端の利用方法に関するインサイトと推奨について明らかにします。

TMS を資金管理に利用する理由

Bray International の財務副社長兼ディレクターの Morty Mandel が新しい役職に就いた際に、次のような質問が次々と寄せられました:

  • 資金ポジションはどうなっているのか?
  • なぜ中国の製造部門に余剰資金があったのか?
  • 流動性計画はどうなっているのか?
  • 銀行との契約を守っているのか?

これらの質問に答えるため、Bray International は TMS が必要であると判断、最終的に彼らのトレジャリー・ニーズを満たす全ての機能を持つ Kyriba を選びました。Bray は資金の可視性と予測の基本的なところから始めるつもりでしたが、GL 照合、資金の会計連携、支払など、将来的に対処する必要がある他の問題点も認識していました。Bray は、Kyriba が現在と将来のトレジャリー・ニーズを満たすための適切なソリューションであると確信していました。

TMS 導入の迅速で大きな成果

約 3 ヶ月以内に、Bray International は世界中の 35 の異なる銀行で 75 以上の銀行口座と接続しました。Morty は、それほど短期間で、広範囲な可視性を得られることに驚くとともに喜ばしく感じたこと、加えて、それがすべてパンデミックの直前に成し遂げられたことを共有しました。

資金可視化を達成した直後、Bray は GL 照合と資金の会計連携の追加導入を決めました。その結果、彼らの GL 照合プロセスは、毎日 3 〜 4 時間かかっていたものが、各月の終わりに約 1 時間しかかからなくなりました。彼らの資金の会計連携は、各月の終わりの 2 〜 3 日後に行われるのではなく、各月の終わりの「翌朝」に会計システムへ連携されるようになりました。これらは Bray にとって大きな成果であるとともに、これまでの Bray の主要な問題点の解決でもありました。

純借入者として、Bray のもう一つの重要な目標は、その債務を減らし、滞留資金を削減するために、資金を米国に送金することでした。Bray が必要な可視性を備えていたため、彼らはその資金を捉えることができ、必要な場所に移動することができました。2020 年には、不要な借入をなくし、そのレバレッジを 35 – 40% 以上削減することができました。この効率性をもたらしたのは、銀行との契約、価格設定グリッド、そして「それ以外のすべて」であると Morty は述べました。。

Bray の次のニーズは、債務の追跡でした。私有の会社である Bray には、創業者とそのすべての関連会社からの多くの様々な債務手形があります。これらの金融商品は、彼らが様々なテナーと金利 (一部は変動、一部は固定) で維持しなければならない数百の異なるノートとなっています。TMS の導入前、すべての利息と償却は Excel で行われており、時間がかかり、エラーが生じやいものでした。

迅速な導入により、Bray は Kyriba ですべての金融商品を一元化し、関連する支払を自動化することができました。毎月 (または四半期) の終わりに数回クリックするだけで、これらの取引は 100% の精度で処理されます。Kyriba のすべてのモジュールは密接に統合されているため、財務取引データは資金ポジション・ワークシートと予測に自動的に連携され、迅速な意思決定を容易に行えるようになります。

TMS 導入拡大のロードマップ構築

Elire のパートナーである Carlos Conde と、SaaS プラクティス・リーダーである Abdel Saafan は、TMS を最大活用するためのロードマップ上の推奨ルートをシェアしました。これは、ビジネス戦略とトレジャリー・ニーズに従って、ペインポイントを解消し、業務の流れを最適化することを目指すものです。

Carlos は、会計連携が導入拡大の一つの選択し得る方向性であり、「特に Kyriba の ERP・銀行接続の専門性を備えていると、非常に大きな効果を得ることができる」ことを共有しました。主要な ERP システムすべてに 1 つのインターフェースで、トランザクションを手動で入力することなく組織の総勘定元帳に情報をシームレスに記帳することができます。それが Bray がKyriba の導入の第 3 フェーズで、彼らの ERP の支払を Kyriba とインテグレートすることに焦点を当てている理由です。

もう 1 つ選択し得る拡大の方向性は、Kyriba の支払不正検知モジュールの利用です。Abdel は、以下のを含む、不正を予防し検出するための組み込まれた支払のコントロール機能を備える Kyriba をどのように設定するかを議論しました:

  • 銀行口座管理 (BAM) – 口座のシグナトリー (署名者) が誰か、誰が口座開・閉設することができるのか、誰が銀行入出金明細をリクエストする権限を持っているか、誰が口座からの支払を許可するリクエストを銀行する権限を持っているのかを管理する
  • 承認ワークフロー – ビジネスのニーズに応じて、最大 9 レベルの承認段階を設定する
  • 多重管理 – ユーザーによって行われるシステム内のアクションを、別のユーザーが確認・承認する

さらに、Abdel は、これらのコントロールすべてを持っていても、企業が不正を 100% 回避することはできないことを指摘しました。不正者が新しい不正を考案している中、伝統的な不正検知方法ではもはや十分ではなく、企業はリアルタイムの不正検知機能へと移行するべきです。

Abdel は、Kyriba の支払不正検知モジュールが、Kyriba で直接生成されるものであるか、ERP から Kyriba へ連携されるものであるかにかかわらず、任意の支払取引にリアルタイムの不正検出を可能にすることを強調しました。Kyriba アプリケーションで利用可能な不正検知の方法は、次の通りです:

  1. 外部保護
    • サードパーティー・プロバイダーからの銀行口座バリデーション (GIACT, SisID, Trustpair)
    • 最新の公式制裁リスト (OFAC, UN, EU, HTMS) による制裁スクリーニング
  2. 内部保護
    • 設定可能な社内検知ルール (被仕向者への初回支払、重複支払、口座残高の確認など)
    • 支払の異常検知のための機械学習

最後に、Carlos はトレジャリー・データのアナリティクス (分析) をもう 1 つの拡大の方向性として議論しました。現在の経済状況下で、組織はリスクがどこにあるのかを知り、資金調達の戦略を積極的に行う必要があります。Kyriba アナリティクスが流動性とリスクに関する戦略的なインサイトを提供する中、クライアントは包括的なトレジャリー・データのアナリティクス (分析) を利用して、情報・データに基づく意思決定を行うことができます。

リアルタイム・トレジャリーこそ、私たちの未来

Kyriba を選択することで、Bray International は資金管理の課題に取り組むことができ、複数の財務プロセス全体での可視性を得ることができ、効率を向上させることができました。Bray が使用を拡大するにつれて、資金可視性を得る、GL 照合を最適化し、会計連携 (資金関連) を最適化するなど、迅速で大きな成果を得ることができました。これにより、大幅な借入削減とレバレッジの改善を実現しました。AI による不正検出や完全にカスタマイズ可能なトレジャリー・データのアナリティクス (分析) などの Kyriba の高度な機能を使用することで、組織はさらに財務のセキュリティを強化し、即時の資金財務、すなわちリアルタイム・トレジャリーに移行することができます。

経済が上昇と下降を繰り返す中、1 つ確かなことは、成長するビジネスニーズに合わせてテクノロジーとシステム・インテグレーションのスケーラビリティを持つことの重要性です。Kyriba はそれに応える貴社のための企業流動性管理システムです。

KyribaLive 2023 のオンデマンド・ウェビナーで、Kyriba プラットフォームを最大限に活用する方法のヒント (英語) をご覧ください。

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